モーニング娘。の楽曲「私のラミンタッチオーネ」は、リリース以来、その個性的なサウンドと、つんく♂さんによる独特な歌詞の世界観でファンを魅了してきました。そんな名曲が今、ファンによる斬新な音楽アレンジによって、再び大きな注目を集めています。「私のラミンタッチオーネをルナシーぽく変えてみた」と題されたこのアレンジ音源は、日本のロック界のレジェンド、LUNA SEA(ルナシー)のエッセンスを見事に注入し、原曲とは全く異なる、壮大でディープな世界観を構築しています。
「原曲の面影が微塵もないアレンジ」とコメントされるほどの大胆な試みは、「アレンジ(編曲)してみた」ではなく「変えてみた」という投稿者の言葉通り、もはやカバーやリミックスの域を超えた「再創造」と言えるでしょう。今回は、この話題のファンメイドコンテンツの魅力と、**モーニング娘。**の楽曲が持つポテンシャルについて深掘りしていきます。
原曲の破壊と再構築:「ルナシーぽく」とは?
投稿者が目指したのは、単にLUNA SEA風のギターリフを加えることではありませんでした。それは、モーニング娘。の持つアイドルポップの構造を一度解体し、LUNA SEAの代名詞とも言える、空間的な広がりを持つサウンド、メタリックなギターサウンド、そして情感豊かなメロディを再構築することでした。
楽曲アナライズ:LUNA SEAのエッセンス
実際に音源を聴いたファンからは、アレンジの方向性について非常に具体的で的確な意見が寄せられています。
- 「後期の空間系かな」
- 「一曲目はイノランとスギゾーの間ぽい」
これらのコメントは、LUNA SEAのギタリストであるINORANさんとSUGIZOさんのそれぞれの音作りを彷彿とさせる、緻密なサウンドメイクが施されていることを示しています。特に、SUGIZOさんの得意とするエフェクティブで叙情的なギターサウンドと、**INORAN**さんのシャープでグルーヴィーなカッティングが融合したような、絶妙なバランスが評価されているのでしょう。投稿者自身が「言葉遊びする気はないけどアレンジ(編曲)してみたではなく“変えてみた”だから歌詞以外は最初から原曲要素けしてる」と語るように、徹底したこだわりが感じられます。
一方で、「ルナ味は薄れるけどこっちのほうがキャッチーなはず」といった意見もあり、LUNA SEAの要素を取り入れつつも、独自性の高い、聴きやすいロックチューンとして成立していることがわかります。
「オリジナルより好き」という評価が示すもの
このアレンジの大きな成功を示すのは、「正直オリジナルより好き」という熱烈なコメントです。これは、単にロックファンがアイドル楽曲を敬遠しているという話ではなく、「私のラミンタッチオーネ」という楽曲が持つメロディラインや構成が、ロックアレンジという土壌でさらにその魅力を開花させたことを意味します。
楽曲の持つ多様な可能性
また、「女性ボーカルというのもありルナシーというより澤野弘之の曲っぽいと思った」という意見も、非常に興味深いものです。澤野弘之氏は、アニメやドラマの劇伴で知られる作曲家で、壮大なストリングスとロックサウンドを融合させた、スケール感の大きな楽曲が特徴です。このコメントは、このアレンジが単なる LUNA SEA の模倣ではなく、モーニング娘。の楽曲が持つ叙事詩的なポテンシャルを引き出し、より普遍的な音楽作品として昇華させたことを示唆しています。
「作詞 つんく♂、作曲 イノラン、編曲 スギゾーって感じ」という、架空のクレジットを提案するコメントも、アレンジのクオリティがいかに高いかを物語っています。「私のラミンタッチオーネ」が持つメロディは、つんく♂さんのメロディメイカーとしての才能と、モーニング娘。のメンバーの持つ歌唱力が融合することで、どのようなジャンルにも対応できる柔軟性を持っていることが、今回のファンメイドのアレンジによって改めて証明されました。
ファンメイドコンテンツの力と「モーニング娘。」
このような質の高いファンメイドコンテンツが生まれることは、**モーニング娘。**というグループが、音楽的にも非常にディープなファン層に支えられていることを示しています。「こういうのを自分で歌えるたむたむが羨ましい」というコメントのように、ファン自身がアーティストとして楽曲に触発され、創作意欲を刺激されているのです。そして、YouTubeなどのプラットフォームを通じて、その創造性が共有されることで、新しいファン層へのリーチにも繋がります。
「うわさのルナシー」ならぬ、この「ルナシーぽい」アレンジは、原曲の魅力を再発見させ、多くの音楽ファンに**モーニング娘。**の楽曲の奥深さを伝えるきっかけとなりました。これからも、**モーニング娘。**の楽曲から、どのようなクリエイティブな「変えてみた」が生まれるのか、非常に楽しみです。








