宮本佳林をモーニング娘。に入れなかったのは失策？10年越しの議論を考える

ハロプロファンの間で、まるで都市伝説のように、しかし熱を持って語られ続けるテーマがあります。それは「もしも宮本佳林がモーニング娘。に入っていたら？」という歴史のIF（もしも）話です。

最近また、掲示板等でこの話題が盛り上がっていました。「つんく♂最大の失策だろ」という強い言葉も飛び交うこの議論。Juice=Juiceのエースとして一時代を築き、現在はソロアーティストとして活躍する宮本佳林ちゃん（ちゃんさん）ですが、なぜこれほどまでに「モーニング娘。入り」を望む声、あるいは逃したことを惜しむ声が根強いのでしょうか？

「逸材」だからこその議論

まず大前提として、この議論が生まれる最大の理由は、宮本佳林というアイドルが圧倒的な実力とアイドル性を持っていたからに他なりません。

研修生時代からそのパフォーマンス能力は群を抜いており、「アイドルサイボーグ」と称されるほどの完璧さを持っていました。そんな彼女を、ハロプロの看板であるモーニング娘。に加入させれば、鞘師里保らと共に最強の布陣が組めたのではないか。そう夢想するファンが多いのは無理もないことです。

• 「宮本佳林さえいれば鞘師の歌唱力不足を嘆くこともなかった」
• 「小田じゃなくて宮本だったらまだ息してた（グループのバランス的に）」

といった、当時のモーニング娘。の課題を佳林ちゃんなら解決できたはず、という意見が散見されます。特にプラチナ期以降、変革期にあったモーニング娘。において、即戦力かつスター性のある彼女の存在は喉から手が出るほど欲しかったピースだったのかもしれません。

つんく♂と事務所の意図：なぜ「入れなかった」のか

では、なぜ彼女はモーニング娘。に選ばれなかったのでしょうか？これにはいくつかの説や見解があります。

1. 新グループのエースとしての役割
これが最も有力で、結果的に正解だったとされる見方です。つんく♂さんや事務所は、宮本佳林を既存のグループ（モーニング娘。）のパーツにするのではなく、彼女を中心とした新しいグループ（Juice=Juice）を作ることを選んだという説。「こいつで戦いたい」と思わせるだけのポテンシャルがあったからこそ、モーニング娘。には「入れなかった」のではなく「入れなかった（温存した）」のだという解釈です。

2. 声質と個性の問題
「宮本の声はグループのセンター以外向いてない」「バックに回れば浮いてしまう」という厳しいながらも鋭い音楽的な指摘もあります。彼女の甘く特徴的な声は、メインボーカルとしてこそ輝くものであり、多人数グループのユニゾンやコーラスワークでは個性が強すぎた可能性もあります。

3. タイミングの問題
「宮本はハロプロ入りが早すぎた」という意見も。当時のモーニング娘。の年齢層や加入のタイミングと、彼女の成長曲線が微妙に噛み合わなかったという運命のいたずらもあったでしょう。

Juice=Juiceという「正解」

議論は尽きませんが、多くのファンが最終的に納得するのは「Juice=Juiceでよかった」という事実です。

もし宮本佳林がモーニング娘。に入っていたら、今のJuice=Juiceは存在しなかったかもしれません。『ロマンスの途中』『「ひとりで生きられそう」って それってねえ、褒めているの？』といった名曲たちは、彼女がいたからこそ生まれ、ヒットした楽曲です。

「宮本がジュースにいなければ今のジュースは無いのかもしれないしこれで良かったじゃないか」
「Juice=Juiceにつんくの名曲も残ったしね」
「かりんちゃんがいなければアモ（『Amor...』などの系譜？）の流れも無かった訳で」

コメントにもあるように、彼女がJuice=Juiceのエースとして牽引したからこそ、ハロプロ全体の層が厚くなり、楽曲の多様性も広がりました。モーニング娘。だけがハロプロではない、ということを証明した功績は計り知れません。

現在進行形の宮本佳林

そして今、ソロ活動を行う宮本佳林ちゃんは、相変わらずエネルギッシュです。

「宮本佳林 LIVE 2025 『魔法のたからばこ』」の開催や、テレビ出演など、枠にとらわれない活動を見せています。時には「人差し指派か中指派か」なんていう謎の議論（スイッチの押し方？）で話題になったり、稲場愛香ちゃんのように体を鍛えるべきか議論されたりと、ファンの関心を集め続けています。

テレビで他のアイドル（森香澄やあのちゃん）を見た時に「宮本佳林のことが頭に浮かぶようになった」という声があるように、彼女の強烈なキャラクターは唯一無二。モーニング娘。という枠に収まらなかったからこそ、今の自由奔放で表現力豊かな「宮本佳林」が完成したのかもしれません。

まとめ：それぞれの場所で輝く星

「つんく♂最大の失策」という言葉は、裏を返せばそれだけ「宮本佳林への評価が高かった」という証拠です。モーニング娘。に入っていた世界線を見てみたかった気もしますが、それはパラレルワールドの住人に任せましょう。

私たちは、Juice=Juiceを作り上げ、そして今もソロとして輝き続ける彼女をリアルタイムで応援できる幸せを噛み締めるべきですね。過去の采配を嘆くより、今の彼女がこれから何を見せてくれるのか、そちらに期待しましょう！

それにしても、10年経ってもこうして熱く語られる佳林ちゃん、やっぱりすごいアイドルです。